【非戦の声⑨】未来バンク事業組合理事長 田中優

NGO非戦ネット呼びかけ人
未来バンク事業組合理事長 田中優

9.取材風景
未来バンク事業組合理事長 田中優

 

非戦の話をするときに、「憲法9条に書かれているから」という論理に違和感を覚える。それが大事であることも、憲法そのものが人類の英知の結晶だという点も同意するが、それでも違和感がある。その理由は、日本の中から見る視点が強すぎるせいだと思う。

世界から見た場合、憲法が適用されるその国の中の話だけではなくなる。「日本は参戦すべきでない」ではなく、どの国も参戦すべきでない。憲法があろうがなかろうが戦争すべきでない。その運動を進めるのに使える憲法を持つ国は、それを特有の運動として利用すれば良いと思うだけだ。

一方、今の戦場にはドローンという遠隔操作ロボットが使われるようになった。ただしこれは経済力のある国だけが保有するが。それが今、「AI(人工知 能)兵器」に代わろうとしている。つまり今後 は人工知能が殺戮するので操縦者がいらないのだ。たくさんのセンサーを備えているので真っ暗でも殺戮に支障は ない。これと戦わさせられるのが、経済力で劣る国の「人間」だ。 彼らが買ったとしても機械をひとつ壊すだけだが、負ければ殺される。

この非対称性があるときに、それでも戦争に意味があると言えるだろうか。NGO非戦ネットには、日本を超えたロジックを期待したい。