【非戦の声⑲】「日本に期待されるのは軍事的な支援ではなく、仁愛に基づいた国際協力」 レシャード・カレッド  カレーズの会理事長

NGO非戦ネット呼びかけ人
NPO法人カレーズの会理事長 レシャード・カレッド

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2015年9月に参議院議員会館で行われたNGO非戦ネット「国際共同声明」でスピーチをするレシャード・カレッド氏

アフガニスタンにおいて医療と教育の分野で支援をしているNPO法人カレーズの会の理事長のレシャード・カレッドです。私は中学生時代に日本の文化、戦後の悲惨な状況、そしてその底辺からオリンピックを開催するまでの復興を成し遂げた日本に興味を持ちました。留学先に日本を選んだのは、この国の戦争放棄と不戦の誓いを謳っている日本国憲法第九条のためだと、日本に来て実感しました。

残念ながら、アフガニスタンの平和と安定は1979年にソ連軍の侵攻によって破壊され、その後も子供や一般市民を含む国民の多くが日常的に惨事に巻き込まれて命を落としています。日本に住むからこそ平和の尊さが解るこの現実が今や壊されようとしています。それは大変悲しい事実であります。

アフガニスタンを始め多くの発展途上国は日本の経済的進歩を喜び、アジアの国々では兄貴分として成功した日本の平和と繁栄を望んでおります。アフガニスタンの戦後の復興に無条件で惜しみない協力をしてきた日本を尊敬し、将来の目標にしてきました。

我々、日本のNGOが発展途上国の地方の村々まで活動を広げ、地域住民の役に立つことができているのも日本に対する信頼のお蔭であります。皆が日本に期待しているのは軍事的な支援ではなく、正に平和的で、仁愛に基づいた国際協力であります。安全保障法案の成立、他国軍と肩をなべて戦場に向かう日本の自衛隊の姿は見たくありませんし、想像もしたくありません。

あるイラクから来日した留学生は、「日本が戦争に加担することはあり得ない」と思って日本に来ました。しかし、今回の安全保障問題の議論を聞いて、イラクの平和を破壊した米軍と変わらないじゃないか、と留学を途中で断念するほどまで落胆しておりました。

アフガニスタンのような不安定な国々の平和のために日本にできることは東ティモールやカンボジアの経験を活かして対話の仲介に務めることであり、戦争に加担することではないと思います。それこそが日本の正しい役割であり、国連での理事国の地位を獲得するための手段であります。

広島や長崎の被爆と惨事を経験した世界唯一国の日本がいつまでも第九条の精神を貫くことこそが世界の人々の目標となり、鏡となれることでしょう。

どうか、日本人のこの優しい、友愛の心を失くさないでいただきたい。

 

*このスピーチは9月10日に参議院議員会館で行われた「NGO非戦ネット 国際共同声明発表記者会見」で行われたスピーチを文字におこしたものです

 

NPO法人カレーズの会
主にアフガニスタンで医療支援、教育支援を行うNGO。2002年に発足。「カレーズ」とは、現地の言葉で「地下水脈」のこと。カンダハール市で診療所を運営し、年間約3万人に医療を提供している。また、日本にアフガニスタンから医療スタッフを招き、研修と技術拡充を行っている。
レシャード・カレッド
NPO法人カレーズの会 理事長/医療法人社団健祉会レシャード医院 理事長・院長。アフガニスタン・カンダハール生まれ。1969年に来日し、京都大学医学部を卒業。1993年に静岡県島田市にレシャード医院を開業する傍ら、祖国の復興を支援するNGOカレーズの会を2002年に立ち上げた。日本とアフガニスタンの地域医療に日々取り組んでいる。